研究代表 | 金沢大学医薬保健研究域医学系 教授 三邉義雄 |
U R L | http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med20/aisatsu/pages/list.html |
参画機関 | 金沢大学大学院医学系研究科神経精神科・神経内科、金沢工業大学先端電子技術応用研究所、東京大学先端科学技術研究センター、株式会社島津製作所、横河電機株式会社 |
1. MEG、NIRS 同時計測を可能にする要素開発:MEGへの影響を与えないNIRS用のファイバー先端部の材質をもちいて、 MEG、NIRS同時計測を可能とする薄型ファイバー(厚さ5o)を開発しMEG、NIRS同時計測を可能とする統合試作 機を作成した(図1)。実際に世界初となる多チャンネルのMEG・NRISによる幼児の同時測定が可能となった(論文投稿中)。 |
![]() 図1 |
2 . MEG同時測定のための幼児用NIRSヘッドギアの改良:子供にとって不愉快にならないように、簡便に薄型NIRSファイバーを装着できるように考案された、後方から毛髪をかき分けるスタイルのカチューシャ型幼児用NIRSヘッドギアを開 発し意匠登録した。図1に示すように、MEGと頭部のわずかな間隙に装着可能。 |
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3 . 幼児計測に特に有効な、頭部移動に対するトラッキングなどの信号処理の試み: MEGの追跡型バーチャルセンサーシステムの試作をした。赤外線カメラによる頭部移動に対するトラッキング信号抽出と、信号処理ソフトウエアの試作が完了した。現在、精度の検証と、精度を上げるための改良を行っている(図2 )。 | ![]() 図2 |
4 . 健常幼児において実行可能な、短時間の刺激課題を実現し、 MEGをもちいて触覚および聴覚の一次感覚野に生じる脳の活動を捉えることが可能になった。まず音声に対する脳の反応の大きさは、幼児の言語発達に関係していることを見出している(論文作成中)。次に視覚情報などへの共感により、触覚刺激への脳の反応が変化することが捉えられるようになってきている(論文作成中)。NIRSにおいては、人の動きに反応する幼児の脳の血流反応の記録も可能になっている(論文投稿中)(図3 )。 | ![]() |
5 . より幼児に優しい脳検査機器を目指し、MRI撮像なしに、頭表の形から脳の形状を予測するシステムを構築中である。現在のアルゴリズムの精度を高めることでMRIなしでも、脳機能の解剖学的局在を一定の誤差を許容しつつ視覚化することが可能になる。現在このシステムを構築するべく、基礎データベースとなる幼児のMRIデータの収集を金沢大学小児科と合同で進め、アルゴリズムの検討と誤差範囲の確認を進めている(図4 )。 | ![]() 図4 |