研究代表 | 金沢工業大学 客員教授 橋本 勲 |
国内参画機関 | 金沢工業大学、金沢大学, 国立岡崎生理学研究所、大阪大学、九州大学、近畿大学、札幌医科大学、 和歌山県立医科大学、旭川医科大学、国立長寿研究所、東京都医学研究機構東京都精神医学総合研究 所、白梅学園大学、東京有明医療大学、財団法人広南会広南病院、東京大学、慶応大学、大阪市立大学、 国立神経医療センター、独立行政法人国立病院機構西新潟病院、首都大学東京、横河電機、青森県立 保健大学、北海道大学、医療法人藤田神経内科クリニック、独立行政法人産業技術総合研究所、株式会社日 本光電、広島大学、NICT神戸研究所、株式会社国際電気通信基礎技術研究所、京都大学 |
海外参画機関 | 国立物理学・工学研究所(PTB)(ベルリン)、イルメナウ工科大学、ハイデルベルク大学(ドイツ)、 ヘルシンキ工科大学(フィンランド)、ウィスコンシン大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校、テ キサス大学医学部ヒューストン校、ニューメキシコ大学 ワシントン大学(米国)、トロント小児病院 (カナダ)、国立陽明大学医学院、長庚紀念医院(台湾)、国立ソウル大学(韓国) |
脳磁図の実用化はすでに30年の歴史があり、基礎研究だけでなく臨床検査として貢献してきた。しかし残念ながら脳磁図の有する高いポテンシャルを十分発揮できない状況が続いている。何故か?その普及を妨げている要因は以下の4 点に集約できる。
(1)脳磁図計測システムを評価する標準ファントムが存在しないため、 異なる機種間でデータの互換性がない。
(2)各種解析ソフトウェア(逆問題解法)の信頼性が確立されていない。
(3)刺激法と(4)診断プロトコルが
研究者によりまちまちであるためデータの比較、共有ができない。
このような現状を打開し、脳磁図の臨床応用を発展させるには脳磁図関連の広い領域での標準化を推進する
必要がある。本プログラムでは、
(1)ハードウェア(ファントム)、
(2)解析ソフトウェア、
(3)刺激法(パラダイム)、
(4)診断プロトコル
の4 つの分科会を設置して、標準化を個別に推進してきた。
各分科会の成果は、
(1)標準ファントムの試作を完了し、全国のMEG評価を準備中。
(2)診断プロトコル分科会と協力し、与えられたデータの特徴に応じて適切な解析ソフトウェアを検討・助言する。
(3)同一標準刺激パラメーターを複数の同一被験者に与え、軸型グラジオメータと平面型グラジオメータを用いて誘発磁場の正常値調査を行った。本実験は標準ファントムに対して生物学的ファントムということができる。
(4)文献調査を行い、分野・疾患別の診断プロトコルを準備中。
なお2009年5 月第1回MEG標準化制定研究プログラム国際シンポジウムを開催し、MEG標準化を進めることについて世界的な合意が得られた。脳磁図の世界標準化が実現すれば脳磁図臨床応用の更なる発展が期待できる。